写真工業発祥の地

都庁裏の新宿中央公園の中にひっそりと、「写真工業発祥の地」なる金属製の碑が立っています。明治35年にこの地に建てられた「六桜社(=現コニカミノルタ)」の跡地の碑なのですが、「写真」という技術に立脚した一大産業の勃興から栄枯盛衰に至る歴史に、思わず感じ入ってしまいます。
「小西六写真工業(=旧コニカ)」については、とても詳しく書いてらっしゃるサイトを見つけたので、興味があればぜひ読んでみてください。

六櫻社全景

■小西本店の暗函と輸入鏡玉
http://www2f.biglobe.ne.jp/~ter-1212/sakura/anbaco.htm

「(銀塩)写真」と言えば、ついこの間までは日本が世界に誇る主要産業の1つ、生活に密着した文化の1つだったわけですが、デジカメが急速に普及した90年代後半以降、ほんの10年足らずで、あっと言う間に消滅してしまった産業です。
僕らが小さい頃、というよりもつい10数年前までは、写真というのは24枚、36枚と言ったフィルムの中で決定的瞬間を押さえなければならないという貴重品で、写真屋さんに現像に出す、いつ出来上がる、クラスのみんなに焼き増しする、なんてことはごくごく平凡な日常の1コマだったというのが、今では信じられないような気持ちです。

 フィルムメーカーの一方の雄であったフジフィルムは、そこで培った技術を元にデジカメや電子材料、化学製品などのマーケットにうまく「転戦」しましたが、写真関連の事業の事業で見ると2011年度の売上高2兆2000億円のうち、「イメージングソリューション事業」の売上は約3000億円。営業損益は過去5年連続の赤字と、既に事業として成り立っていない状況です。
もう一方の雄が、「サクラカラー」として知られたこの小西六写真工業株式会社、つまりコニカだったわけですが、こちらは単体として生存できず、カメラメーカーのミノルタと合併することで命脈を保ったものの、2006年にカメラ・フィルム事業からは完全に撤退してしまいました。

こうしたトップメーカーが巨大な資本と高度な技術で生き残りを模索している一方で、その広大な裾野を担っていた町の写真屋さんに至ってはそうは行きませんでした。
「撮る技術」に特化したスタジオアリスなど写真館や、デジカメプリントに「転戦」したいくらかの企業は、立派に生き永らえている所もありますが、「現像」を主としてきた 昔ながらの町の写真屋さんの多くは廃業を余儀なくされました。そんなこと言ったら、町の八百屋も魚屋も全部潰れたよって話になりますが、あるイノベーションが急激に産業構造を変えてしまう事例は数え上げればキリがありません。

90年代後半にデジカメが登場して、10年ちょっとで写真屋さんを駆逐してしまったように、71年に大証二部に上場したダイエーをはじめとするスーパーが、近所の八百屋さんや魚屋さんを駆逐してしまったのも、やっぱり10年ちょっとくらいだったような気がします。何十年も地道にやってきた商売を、10年くらいで一気に押し流してしまうのが本当のイノベーションというものかもしれない。
1955年から始まった日米貿易摩擦の経緯を見ても、繊維>鉄鋼>電機>自動車>半導体と、やっぱり10年くらいで主役は入れ替わっています。職人気質で「○○一筋何十年」とか言えば聞こえはいいんですが、腕を磨いたところで、同じことを繰り返しているだけでは、イノベーションの津波には太刀打ちできない。ブランドビルディングの実務としては、1つのことに絞り込んで訴求する方が良いのでしょうが、経営の実務としては、1つのことずっと続けててもダメだということです。

コニカがまだ優勢だった頃、きっと輝かしく除幕されたであろうこの記念碑が、かつて壮大な勢力を誇った写真産業の寂しい墓標のように見えましたなんて言うと、文学的に過ぎますか。
写真技術の国産化に尽力した明治の先人たちの苦労、それがやがて華開いて世界中を席巻し、そしてデジタル革命によってあっという間に消え去ったという日本の写真産業100年の歴史が、走馬灯のように過ぎるのです。あれ、なんか今日おかしい。ということで、最後に、このあいだ「ガジェット通信」でもピッカップされた、とあるコピペを置いておきますね。

19 :名無しさん@十周年:2009/10/16(金) 17:55:02 ID:MVkpniAp0

専業主婦が一般的だったのは高度経済成長期の数十年、
たった1世代でしかないという事実。
よくあることなんだけど、今現在の社会的な慣習を永続的なものだと
みんな勘違いしちゃうんだよ。
みんなでクルマを持つようになってまだたった1世代。

腕時計をするようになって1世代だが、
携帯のせいで売り上げが3分の1に激減
社会人のたしなみと誰も疑ってなかったはずのものが、
1世代であっけなく終了。
タバコと酒の消費量は戦後で1人あたり5倍くらいになってて、
今みたいにパカパカ摂取するようになって1世代。
(だから健康被害とか出てくるんですよ。当たり前やがな)

バカみたいな飲み会とかやってたのは実は団塊だけ。
タバコは今のペースならあと0.5世代で滅ぶ。
自由恋愛も1~2世代ですよね。
だいたい告白という風習が少女漫画から広まったものじゃなかったっけ。
1世代。
(社会慣習は意外とフィクションの影響を受けている)
日本女性がブラジャーをつけるようになって1.5世代くらいか。
今のスタイルの葬式がもうちょっと長くて2世代くらい?

ほかにも「実はたった1世代」ってモノや慣習は無数にある。
ちょっとこの事実にお前ら恐怖したほうがいいです。
だからまあ、なんも考えず親世代の真似をしようとするのはやめろ。
無理だから。
親の言うことも聞くな。
だいたい親もこの辺のこと分かってねえから。
愚者は経験に学ぶ。
しかもたった1世代の。

終身雇用なんてギャグだし、
ローンで家建てる前に経済誌でも購読するべきだし。
ブルーカラーやホワイトカラーどころか、
最近はゴールドカラーって新しい職種が出てきてるなんて言われている。

せっかくなのでこれも
http://d.hatena.ne.jp/nishiohirokazu/20090401/1238588872

> * 2010年に需要のある仕事上位10位は
> * 2004年にはまだ存在していませんでした。
> わたしたちは指数的に成長する時代に生きています。
> 5000万人の視聴者を獲得するまでにかかった年数
> * ラジオ 38年 * テレビ 13年 * インターネット 4年 * iPod 3年 * Facebook 2年

変化に対応できないと、ものすごい勢いで取り残されてしまうよ。
簡単に墓場まで逃げ切れると思うな

 

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