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スペインの銀行「Banco Sabadell」が企画したサプライズ演奏会の動画を深読みする。

スペインの銀行「Banco Sabadell」が企画したサプライズ演奏会の動画が奥深い。

ネット上でちょっと話題になっている、スペインの「SABADELL銀行」が企画した、サプライズ演奏会の動画です。動画は小さな女の子がストリートパフォーマンスで演奏しているコントラバス奏者のおじさんのケースにコインを入れて上げるとことから始まります。 「カット割りがわざとらしい」とか、「銀行名アピールしすぎw」みたいな世知辛い声もありますが、今日のところは、クラシックオーケストラの奏でる第9の美しい響きに、心安らかに耳を傾けようではありませんか。

日本でもおなじみのこの、ベートーベンの「交響曲第9番第4楽章(=通称「第9」)」は、世界中で愛されている名曲ですが、殊にこの第4楽章の「歓喜」は、ヨーロッパ全体を称える「欧州の歌」として、1972年、欧州評議会で採択されています。 
但し、オリジナルの歌詞となっているシラーのドイツ語の詩は、「欧州の歌」では正式な歌詞とはされておらず、演奏される時は、楽器だけの演奏か、ドイツ語はコーラスの扱いで、聴衆が勝手に(ドイツ語で)歌うというような運用をしているみたいです。ややこしいですね。

ドイツと言えばクラシック音楽の世界では1も2もなく独占的なまでの超大国です。昔、語呂合わせで良く聞いた、「ばーさん(バッハ)、屁ー出る(ヘンデル)、はい(ハイドン)、持つ(モーツァルト)、弁当(ベートベン)。」なんて言うのがありましたが、近代音楽は父も母も、みんなこれドイツ人です。 「ドイツ人」と言っても、300年前のドイツ人なので、正確には「ハプスブルグ家」が皇帝として統治していた「神聖ローマ帝国」民と言った方がいいかもしれませんね。モーツァルトはまさしくこの、ハプスブルグ皇帝が君臨していた頃の宮廷音楽家でした。

ハプスブルグ家は、16世紀から20世紀初頭にかけて、政略的な婚姻政策によって、ヨーロッパ中に広大な領土を持っていたヨーロッパ随一の権勢家だったわけですが、上の地図を見ても分かるように、現代のヨーロッパでもう1国、ハプスブルグ家領として、歴史上のある一時期において、ドイツと同君連合のようになっていた国があります。それがスペインです。
スペインはジブラルタル海峡を挟んだ、ヨーロッパとアフリカの中間地帯として、ヨーロッパでも唯一、イスラムの支配を受けた複雑な歴史を持つ国です。

さて、時代は下って現在、ギリシャに続いて、債務の悪化が危惧される国家として、スペインとイタリアの名前がよく出てきますが、スペインの各銀行も、市場金利が急騰して、資金の借り入れが事実上できなくなっているのです。
スペイン政府はユーロ各国に対して、自国の民間銀行向けの支援を要請しています。各国といっても資金の貸し手は当然、ドイツ。ドイツは、対ユーロ圏外輸出の伸びと言う意味で、ユーロ安の恩恵を最大限享受している国と言えるでしょうが、それにしても、ギリシャやスペインからの度重なる支援要請に、国民の理解を得られない状況です。

そこで、この動画。スペインにも広場でみんなで歌うような民族歌?あまりその辺は詳しくないですが、その手の歌はいくらでもあるでしょうに、ドイツ生まれの欧州歌、第9。しかもドイツ語で。企画のスポンサーは資金調達にあえぐ民間銀行。
ドイツ人にしたって、スペイン人がみんなで広場で第9を歌っている映像を見て悪い気はしないでしょう。なにか「ドイツのみなさ~ん、同じヨーロッパの仲間でしょ~。お願いしますよ~^^;」という声が聞こえてきそうな企画に見えてしまったんですが、ちょっと深読みしすぎでしょうか。

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