会社を始めようとしていた頃、事業をされてるとある先輩から「会社をやるなら株と賭け事はやっちゃいかんよ。」と言われたのを真に受けて、以来、株も麻雀もやめたんですが、毎年の年末か年始にこのメンツで囲む卓だけは、行く年の総括と来る年の吉凶を占う神事みたいなものなので、別腹ということにしています。
みんな蝶理時代の仲間で、今は誰も蝶理には残ってないんですが、僕とは違って会計の道に進んで、いまは会計士や税理士として、監査法人や企業に勤めてる連中です。業界も自動車メーカーだったり、航空会社だったりするので、お互いに全く違う文化圏の話は興味深く、近況報告も兼ねて結構盛り上がります。
僕自身の会計的な知識は、大学2年の簿記論Ⅱくらいでほぼ止まったままなので(笑) 日頃、仕訳的なことから税務、法務的なこと、これちょっと税理士さんには聞きづらいなあみたいなことまで、気軽に教えてくれるありがたい存在。
この日も麻雀はそこそこに、ビザインの今後の方向性や新規顧客へのアクセス方法など、真剣にいろいろとアイデアを出してくれたりして、それがとてもフラットでニュートラルなところから出てくるものですから、気づかされることも多いし、こうして損得なしで付き合ってくれる、昔の仲間に感謝すると同時に、親しき仲にもなんとやら。世話になるばかりでは立つ瀬がありません。早く恩返しができるようがんばらねばという決意を新たにしました。
去年は仲間の同期を1人、病気で亡くして、麻雀はやめてその墓参りに行ってきたんですが、1年ぶりに集まったみんなは、「他者の死を以て己の生を知る」ものなのか、人生観というか死生観というか、そういうものも結構大きく変わったようで、次なるステップへの展望や、はたまた独立への計画なんかも聞くことができました。
これはビザインにとっても楽しみな展開で、友達とはいえ、やはり一部上場みたいな大手に勤めていれば、一緒に仕事をしようにも、口座がどうとか稟議がどうとか、そう簡単には行かないわけですが、それぞれが意思決定者であるオーナー同士であれば、「一緒にやろうぜ」「おう」でコトが済むわけです。畑が全く違ってる所もいい。
みんながそういう気分になってくれたのはとても嬉しいことですが、去年は何と言っても震災があったので、日本全体がそういう部分で目覚めたようなところがありますよね。あれ?どうせ死ぬ時は死ぬんだから、生きてる間は思い切り生きなければならない。「方がいい」じゃなくて「ねばならない」ってレベルで思います。
志半ばで死んだやつにもやりたいことはまだまだあったはず。彼らはそれを断念せざるを得なかった、チャレンジしたくてももう、永遠にできないわけです。それがまだまだやれる環境にある僕らが、鼻クソほじってゴロゴロしていたら、「おめーそんなとこでサボってんじゃねーw」という声が天国から聞こえてきそうです。
ただ、悲しみを時間が押し流してくれるように、こういう緊張感や決意も、時間とともに緩みがちです。自粛から経済の停滞が心配されるほどに打ちひしがれていた状況も、1年過ぎて、テレビではまた相変わらずお笑い芸人がどーーーでもいいことを、ただダラダラと垂れ流す日々。いや、笑うことはいいことなんだけどさ。
ということで、きっともう、忙しい日常の中で忘れかけているであろう、あの日の緊張感や決意を思い出すために、またこれ、置いておきますね。これからも、ソースがなくなってもどっかから掘り出してきて、毎年置いていくつもりです。自分のためにも。
今年も1年、ありがとうございました。来年もよろしくお願い申し上げます。
佐藤祐太
去年の記事
┗今年も一年、ありがとうございました。