最適化と差別化のはざま。

ワードプレス,フリーテンプレート,無料デザイン,シンプルな3カラム,企業向け,病院向け,美容室向け,ポートフォリオ

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ブログにせよ、ホームページにせよ、新しく作るとなれば、まずもって悩むのが見た目としての「デザイン」ですよね。プライベートや個人の趣味のブログであれば、まあお好きなものをなんでも選べばよいのですが、企業やビジネスとしてのサイトとなるとそうはいきません。ただ奇抜で目立って印象に残ればいいというものではなく、「印象に残る」のは当然のこととして、できるだけ「良い印象」を持ってもらわなければならないのが、ビジネスとしてのサイトに課せられた使命だからです。

昔、インターネット草創期の頃は、各企業でも「パソコンの得意な社員」たちがそれぞれ手作りで「ホームページ」を作っていたりして、作り手となったその人の個性が出たりしていたものですが、インターネットが普及して早10数年。サイト制作の技術も企業も成長し、クライアントのウェブマーケティングへの投資額も増大してくると、「作りたい風に作る」だけというわけにはいきません。ビジネスでやるからには投資額に見合った成果が必要です。

やがて「大手」となった制作会社や関連企業が「最適化」を追い求めてきた結果、ここにきてそろそろ「病院ならこう」、「お堅いイメージの会社ならこう」、「レストランならこう」、「物販をするならこう」みたいな、用途によって「最適だ」とされるイメージが、およそ定型化、固定化してきたように思います。それはそれで多くの人たちに考え抜かれた結果、徐々に醸成されてきたものですから機能的ですし、印象も「悪くない」。
「情報を伝達する」メディアとしては必要十分な品質を備えたサイトが今や大勢を占めています。でも、逆に言えばどこも似たり寄ったり、、、そんな感じがしませんか?

 これ実はサイト制作に限った話ではなくて、日本人一般が持つ「保守性」からくる「横並び」現象に他ならないんだと思うんです。例えば、百貨店業界の凋落が言われて久しいですが、どこに行っても同じ店構え、同じブランド、同じような接客。「売れ線」と知れればどこもが追従して結果、どこも同じ品ぞろえになってしまうのは、百貨店に限らずコンビニもスーパーも一緒です。
「若者がクルマに乗らなくなった」。違法駐車の取締強化から飲酒運転の厳罰化、デフレ、エコ、健康志向、etc.言い訳めいた理由はよく耳にしますが、クルマが大好きだった僕らより上の世代の人たちであれば、背伸びしても買いたくなるような「魅力的なクルマがなくなった」コトの大きさは、環境要因より大きいと感じてるんじゃないでしょうか。

 ロジカルに「売れるクルマ」を突き詰めていくと、ある一定の解が出てくるんだと思います。「売れる売り場」を突き詰めても同じ。みんなが合理的に最適化を追い求めると、それが普遍化してしまう。つまりマーケット・イン的な突き詰め方をしていくと、結局はどこも同じ、面白みのないものになってしまう。
一方で、ブランディングを考える際にもっとも必要なファクターが「差別化」だということは誰もが知っています。差別化とは「個性を際立たせる」ということです。これは会議の中では生まれようもないチャレンジ。よほどのカリスマがない限り、主観的な「思い」は客観的な「論理」には歯が立ちません。

こう書くとなにか、戦後世代の偉大な創業者たち亡き後、ことごとく没落していった電機業界や、日本経済全体がそういう「守りのデフレスパイラル」に陥っている現状が良く分かります。ユニクロにしろ、これまでのアップルにしろ、元気がいいのは創業者が陣頭指揮できているところばかりです。なぜならカリスマが効くから。主観的な思いを押し通して、エッジの効いたブランドを形成できているから。顧客は「思い」に共感するのです。
銀行や不動産、商社などが戦前から一定の地位を守り続けてこれたのは、突き詰めればブランドなんかなくても資本さえあれば競争力を保持できる業界だったからと言えるかもしれませんね。

さて、サイト制作の話に戻ると、海外のサイトには実は結構個性的なサイトが多いという印象があります。日本の一線級のクリエイターでも、ちょっと英語の分かる人なら、海外からアイデアやネタを拾っている人は少なくありません。
いや、サイト制作に限らず、ファッションでも自動車でも、僕のやっているインテリアなどは特に、海外には個性の際立つ強力なブランドが非常に多いのはみなさんがご存知の通りです。ZACKもしばしばデザイン会社名で買われていくことがありますが、これなども販売用というよりもデザインの参考にするために買われているようなところがあります。

なぜでしょうか。例えば進路で言えばいい大学、いい会社、流行りで言えば行列のできるナンチャラ、そうそう、お店とかで行列するのってすごく日本的なんだそうですね。一億総中流なんて言葉もありました。みんなと同じが好きなのは民族性というか、出る杭を打つ文化があります。でもビジネスでやる以上「よそと同じ」はマイナスですよね。
つねづね不思議に思ってるんですが、ミトコンドリア・イブから数えて、ヨーロッパ人なんかよりもよほど遠い、ユーラシアの東端までたどり着いた、人類でもおそらく最も事業欲の旺盛な民族であったはずの我ら日本人は、いつからこんな保守的になってしまったんでしょう。ロスト・ディケイドでリスクを避けるようになった?いやいや、そもそも徳川政権が・・・ry

えー、話が横道にそれてしまいましたが(最近司馬づいている)、海外の「個性的な」デザインのテンプレートなどを集めたサイトを見つけました。無料のもありますし有料でも40-50ドルくらいのものです。今やサイトデザインなんていうのは、そういう個性的でカッコイイのを気軽に買ってきて、手軽に着せ替えをするという時代になりました。もっとも大切なのは、やはりコンテンツですから。
「前々からホームページそろそろ作らなくちゃって思ってるんだけど、めんどくさくてやってないんだよねー。」とか、「10年前に友人に作ってもらったサイトがあるけど、そのままになってる」なんていう方は、一度見てみてはいかがでしょうか。「え、これ3800円?」という感じのクオリティのテンプレートがたくさんありますよ!

 


ロープーウェイじゃなくて、ロープ、ウェイですよ?孤高のビジネスデザイナー。佐藤祐太のブログへようこそ。