中国資本が日本の水資源含む山林を買収しているとか。


最近よく耳にしますね。
「中国人が山奥まできて山林を買い漁ってる」とか、
「山はいらないから水源だけ売ってくれと言われた」とか。

いつの時代にも売上(視聴率?部数?)欲しさに、
ナショナリズムを煽るだけの低俗なメディアというのはいるわけですが、
戦前の大新聞様とかね。
でも、良識ある市井の人々がリアルで煽られてしまうのはうまくないのです。

ビジネスの世界では「所有から使用へ」なんて、
もう何年も10何年も前から言われてきたことですが、
こと「山林」や「水資源」は国民の精神衛生上、
「所有」してないといかんというのでしょうか。

つい最近も尖閣問題に起因してか、中国からのレアメタルを止められて、
業界がヒーヒー言わされたばかりです。
まだ解決はしていないようですが。
両方同じことですよね?
「水はやらんが、レアメタルはよこせ」とでも言うのでしょうか。

中国のここから先の発展は水不足がネックになることは、ほぼ確実だそうですが、
その資源を日本が握れるとしたら、これほど平時における有効なカードはないでしょう?
まあ、事態はまだそこまで全然行ってないんだと思いますが。実際のところ。
飲料水なんて、レアメタル以上に代替の効かない資源です。
仮に、中国資本が山林や水源を、書類上「所有」してようが、
いざとなったら「輸出差し止め」する手段なんか、いくらでもあるはずです。

ワイドショウのディレクターは、煽って視聴率が伸びればそれで良いのでしょうが、
なんで政治家やコメンテーターの先生方からは、そういう話は出ないんでしょうかね。
こっそりそれを狙ってるから?
いやいや、政権与党は内部抗争に明け暮れてて、それどころじゃないんだと思います。

もちろん、中国とは地域大国の隣国同士、
平時にお互いが必要とする、レアメタルと飲料水でがっぷり四つに組んでいて、
有事を引き起こさないよう努力することが、なにより大切なことです。
でもいざ有事となった場合、レアメタルと水では、どちらが困るのかは自明ですよね。

何年か前に、「対馬が韓国人に買い占められてしまう」という話題が、
某巨大掲示板を中心に盛り上がった時があったんですが、
5-6年前かな。
実際に対馬に行ってみると、もう韓国人だろうが来てくれるだけマシ!
って状況なんです、経済的に。

異論もありましたよ。
「韓国人は韓国人の宿や飲み屋にしか入らないから、地元にお金が落ちない」とか、
「町を汚す」とかね。
でも、それじゃあ韓国人の宿も飲み屋もない状態の方がよかったのかと。
その家賃なり、売ったなら土地代とかは地元に落ちてるはずですし、
税金?はまあ、外国人は超節税してるでしょうから、地元には落ちないかもしれないですが(笑)
地元の人たちだって、おいしい本場の韓国料理を楽しめると思えば。

対馬ってなに県だか知ってますか?
長崎県なんです。
でも長崎県の人ですら、対馬に行ったことないって人がいっぱいいる。
自分は行かないけど、韓国人行くなっていうのは、
ちょっと子供じみていると思います。

もちろん、自衛隊の基地が監視できてしまう高台をまるごと買われてるとか、
そういう話は別ですよ。
それは外国人による不動産所有とはまったく異なる次元の、テクニカルな国防の話です。
そもそも基地が監視できてしまうような土地を、
一般民間人が所有できてしまうところがおかしい。

今回の山林の話も同じ理屈だと思うんです。
日本人ですら捨てた村や山を外国人がお金出して「所有」してくれる。
お金に困った(?)売主さんからしてみれば、おいしい話じゃないですか。
銀座の有名百貨店だって、秋葉原の電器屋さんだって、
中国人観光客を三顧の礼で迎えてるっていうのに、
山とか土地だとダメっていうのは、なぜなんでしょうね。

国宝級の文化財とかが根こそぎ買い漁られて、あっちに持って帰られるというなら、
それはさすがに心情的な「奪われる」感もあるのかもしれませんが、
不動産は登記上の所有者が変わるだけで、そこには永遠に「日本の田舎」があるわけです。

あの天下の三菱地所だって、ロックフェラーセンターでは1000億の損失を出して撤退しました。
バブルマネーで外国の不動産を回すのは、きっと本当に困難なビジネスなのでしょう。
ここは1つ、逆手にとって、いかにこのカードを利用するか、考えてみて欲しいものですね。
先生方にも。

 


ロープーウェイじゃなくて、ロープ、ウェイですよ?孤高のビジネスデザイナー。佐藤祐太のブログへようこそ。