記念切手

記念切手

お金のかからないちょっとした気遣い

 普段、郵便局まで行かなくちゃならない用事っていうもの、そうあるわけじゃないんですが、それでもたまに「郵便局まで行かなくちゃならない」時には、近くにある小さな郵便局じゃなくて、新宿の駅前にある中央郵便局まで行くようにしています。切手の種類が豊富だから。
と言っても切手集めが趣味ってわけではなくて、こう言っては切手集めが趣味って人から叱られるかもしれませんが、文字通り「ただの切手」として買いに行くんです。

いつからかなあ。たぶんここ2-3年ですか。きっかけは、あるお得意先さんの展示会かなにかの招待状に、ちょっとゴージャスな感じの花の切手が貼ってあったんですね。これだと。(笑)
もともと業務で使う切手なんていうものは、それこそ新卒で会社に入って「おい、切手買ってこい」なんて使い走りをしていた頃から、いわゆるあの「普通の切手」をシートで買ってくるってことしか頭になかったわけですが、考えてみれば結婚式なんかの案内状も、きれいな切手を使いますよね。

これでお高くつくって言うんであれば、「金かけてまでやることか」なんて人もいるかもしれませんが、コレクター待望の国宝シリーズだろうが、発行枚数の非常に少ないレアなシリーズだろうが、郵便局で買えば80円です。
どうせ同じ80円の切手を買うなら、近所のローソンで、なんの変哲もない「普通の切手」を買うよりも、できればちょっと大きかったりキレイだったりする見栄えの良い切手の方が、たかだか請求書や領収書なんかを送るにしても、受け取った相手が、忙しない日常の業務の中でも、ほんのちょっと喜んでくれたりするかもしれない。なんて思ってまして、記念切手を使うようにしています。

記念切手

たいていのサラリーマン人生において、「尊敬できる上司」なんて、そうそう出会えるもんじゃないと思いますが(笑)、 今までその数少ない「尊敬できた上司」のお一人に、当時、剛腕で鳴らしていた、ある事業部長さんがいらっしゃいました。
ある時、部の全員を集めたようななにか大きな席で、「お客さんを応接に通す5分前には電気を点けて、空調を入れておけ。お客さんが来てから電気をぱちぱち点けて、むし暑い部屋に通すなんて、失礼だしみっともない。(当時は確か夏。)」というような話をされて、「剛腕」というのはこういうものかと驚嘆した覚えがあります。

そういう上司との出会いに恵まれてか、どこか「できる人間」というのは「剛腕」か「繊細」かじゃなくて、「剛腕且つ繊細」、つまり「慎重且つ大胆」みたいな、いわゆる「ウェルチはどっちも」みたいな風でないといけないと思っているフシがあって、もちろんでっかい野望もありつつも、細やかな配慮もできる人間でありたいと思っているところです。
なーんて「たかだか切手1枚でそこまで語るかw」と、件の元上司がもし読んでいたら冷やかされてしまいそうですが、「たかが切手1枚」 は、どちらかというと「されど切手1枚」と思っているものでして、ちょっとだけ足を延ばしている次第です。

でも実際のところ、記念切手って、著名な日本画とか浮世絵とかが題材になったいたり、結構いろいろなシリーズがあって、見ていても結構楽しいんですよ。
別にこんな切手で送ったからいくら儲かるとかそういうことじゃありませんが、同じ80円ですからね。大切なことなので二回言いました。デフレだの不況だのと、なにかと世知辛い世の中ですが、こんな遊び心があってもいいでしょ?というお話でした。

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ロープーウェイじゃなくて、ロープ、ウェイですよ?孤高のビジネスデザイナー。佐藤祐太のブログへようこそ。