後之先

 

実は僕の知人がここ数カ月、大変なことになっていました。自転車で通勤中、おばあさんを引っかけてしまい、おばあさんは骨折。そして入院。退院後もリハビリやらなにやらで、弁護士を通じての請求額はなんと500万円！ちょっと予想外の金額で聞いてビックリしてしまいましたが、生命保険や自動車保険の(自転車の)特約にも入っておらず、どうしたものかという話でした。

経緯はこうです。

いつもの道を会社から自転車で帰っている途中の事故。正面衝突とかではなかったようなのですが、おばあさんは転倒してしまい、歩けなさそうだったので、自転車は止めたままおばあさんを近くの自宅までタクシーで送り届ける。
しばらく様子を見ていたが、大丈夫そうなので、翌日病院に行ってくれるよう頼んで、連絡先を渡してきてその日は帰宅。おばあさんは一人住まいで家族はおらず、後日遠くに住んでいる親戚を通じて、弁護士さんが代理人として話し合いの席に出てくる。

全部が済んでからでないと補償などの金額も決まらないということで、その間知人はおばあさんのお見舞いに行ったりして様子を見に行ってるうちに、おばあさん退院。しかし高齢のせいで回復も良くなく、リハビリに通院することになり、その時点で弁護士から「500万円」という金額が提示される。知人も驚く。

生命保険やら自動車保険やらの内容を調べるも該当せず。勤務中の事故であれば労災も下りるところが勤務中でもなく、通勤中とはいえ、自転車は会社では認められていないので、それもできず、途方にくれる。そこでさすがは弁護士さん、法律のプロ。お金が取れなければフィーももらえません。「マンションにお住まいでしたら、住民の損害を対象とした保険に入っているかもしれませんよ？」と。
調べてみるとなんと！マンションの管理費にそのような保険が含まれていて、無事にそこから保険金が下りることになったそうです。。。

はい！なにが言いたいかと言いますと、自転車。健康にもいいし、渋滞も関係ないし、エコだしということで、最近流行ってますよね。ですがやはりクルマと違って自賠責もないし、保険のこともおざなりになりがちです。そしていざ事故が起これば、こうして数百万円級の賠償が発生することもあるのです。こわいですね～。
知人のケースでもこれ、結構紙一重で、会社から帰ってきて、地元でのことだったので、そのマンションの保険も下りたわけですが、もしこれが勤務中だったりしたら「私的な時間」ではないので？適用外になっていた可能性もあったそうです。こわいですね～。保険内容もきちっとチェックしなければ。

しかももし知人の住んでるマンションの保険が、その手の案件をカバーしていなかったり、一戸建てに住んでたりしたら、完全にアウト。さらに500万では済まないケースもあるでしょう。相手がもっと働き盛りの男性だったり、将来有望な子供だったり、後遺症が残ったり、はたまた自営の人で、営業保証求められてたりしたら、それこそ1000万円級の裁判も十分ありえたケースです。

保険証券の細かい文字とか、特約の隅々までなんて、普段読み飛ばしちゃいがちだと思いますが、一度チェックしてみることをお奨めします。って言っても、いざ事故が起こってみないと、どういうケースでどういうことが必要になるのか、あらかじめ想像なんて出来ないんですけどね。
特に通勤じゃなくても、よく乗ってるよっていう方。「自転車のための保険」、掛け金もそう高くないみたいですから、入っておいた方がいいですよ！

「自転車」って言うと、「自動車」に対しての「被害者」になる可能性ばかりが「危ない」とされがちですが、「歩行者」に対しては「加害者」になってしまうこと、そして一回事故が起こればこうして自動車事故と同じような大きな金額にもなるんだということで、どうかみなさん、安全運転＋保険加入でお願いします┏〇