「親が子供を育てるのは『愛』。」


himuro

普段、あまりテレビを見る方ではないんですが、なんとなくついてたテレビから、
「次のコーナーは氷室京介さんがウンヌン。。。」っと言っていたのを聞いて
思わず食いついてしまいました。
日テレの「ZE~RO~」ですね。
いやー、氷室もだいぶオヤジになったなあ。

と言うのは、ご多分にもれず僕も、中学高校時代はバンドをやってまして、
小田急線の玉川学園の駅前の盆踊りで、トラックの荷台を使った、
急ごしらえの小さな舞台なんかで、BOOWYのコピーなんか演ってなんかいたんですが。
町田のPLAYHOUSEとかね。

BOOWYとヒムロとホテチンは、そういう時代の、いわゆる僕の「ラストヒーロー」で、
初めてちゃんとした「コンサート」に行ったのも、東京ドームのこけら落としだった、
「LAST GIGS」でした。

たしか原付で行ったんだよなー、水道橋まで。
初めて走る、都内の片側3車線の大きい道路がおっかなくって。
時代はバブルの最末期。
ピッカピカの東京ドームも、これから日本はどんどん良くなって、
世界のトップをひた走っていく。
そんな空気が充満していた、時代でした。

調べてみると、LAST GIGSは1988年の4月。
日経平均はこの翌年の年末に、ザラ場で史上最高値となる38,957.44円を付けて以降、
失われた10年、いや、もう22年になるんですね、
深い、深い低迷の時代へと入っていきました。

いやいやいやいや。

そんなことを振りかえるつもりなんじゃありませんでした。
久しぶりに氷室がテレビに出てきて、いい事言ってたよ、という話です。

その中で、氷室先輩(笑)はいまロス?アメリカに住んでるらしいんですが、
近年の日本の事情に憂いていると。
親が自分の産んだ子育てを放棄する、あまつさえ殺してしまう。
氷室先輩(笑)は「普遍的なこと」っていう言葉を使っておられましたが、
そういう「当たり前(だった)」のことが、崩壊していると。

日本に住んでる僕たちだって、そういうニュースを聞くと、
まだかろうじて「驚く」良識を保持してる人も多いと思いますが、
「あー、またか。」と慣れてきてしまっている部分もあるんじゃないでしょうか。
日本を離れて暮らしていると、そういうことは、日本で暮らしている時以上に、
強く感じ入ったりしますね。
日本のいいところ、悪いところ。
自分が日本人であるというアイデンティティー。
そういう会話の中で、さすがは詩人、さすがは氷室と思った言葉がありました。

「親が子供を育てるのは『義務』だからじゃない。
それは『愛』だ。」
と。

うーむ。。。かっこいい。。。
今の日本に必要な、これ以上の言葉があるでしょうか。
これが、どっかの広告会社のマーケッターが言ったのなら、
「ちくしょー><」とも思える名コピーですが、相手はあの氷室先輩です。
大人しくシャッポを脱ぐしかありません。

何年か前にベストセラーになった、藤原正彦氏の「国家の品格」で、
僕的には同じ趣旨だと思われる言葉がありました。

「なぜ人を殺してはいけないのか」なんて聞いてくる子供に、
「これこれこうだから、殺しちゃいけないよ」なんて、教えるものじゃない。
「とにかく人は殺しちゃいけないんだ。」で十分だ。
だいたいこんな内容だったと思いますが、ウロ覚えなので、
正確に知りたいという方は一度ご自身で読んでみてください。(笑)

個人の価値観を尊重して、自由度の高い、多様性のある社会を作り続けてきたわけですが、
それは反面、社会の共通認識、規範、コモンセンスを喪失してきたことと同意です。
社会規範の崩壊が危惧されている一方で、個人の多様性ある価値観を尊重する。
とても難しい問題です。。。

また、古い社会規範が崩れていく一方で、特に「喫煙」についてなんかはそうですが、
新しい社会規範は、着々と形成されつつあります。
今なんか、パブリックな場所での「喫煙者」の個人的価値観の荘厳は、
完全に葬り去られてしまいました。(笑)
ヒステリックなこの「世の中」は、
「禁酒法」の時代から、なんら変わっていないのかもしれませんね。

現代の日本て、戦前の日本に比べて、明治時代に比べて、
江戸時代に比べて、戦国時代に比べて、そのもっともっと前の時代と比べて、
果たして「良い社会」になってきたんでしょうか。
科学技術の発達の他に。
そして22世紀の日本は、23世紀の日本は、今よりもっと「良い社会」になってるんでしょうか。
科学技術の発達の他に。

そこには忘れてはいけないキーワードがあります。
それこそが「愛」なのではないでしょうか。キリッ(決まった。。。)
フハハハハハーーーッ!

 


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